「起きての生姜、寝る前の大根は医者いかず。」「夜の生姜はヒ素に勝る。」など中国では昔から言い伝えられていることがあります。
どうして?と疑問に思っていましたが、陰陽の摂理が理解できるようになったら、自然となぞが解けてきました。
人間が自然体で生きることは「陽が陰に入ると寝て、陽が陰から出ると起きる」ことですが、起きる・寝ることは意識的にやっているようで、実は自動化した無意識の行為だと言えます。
起きる、寝るは陰陽のスイッチが正常に切り換わるかどうかの私たちの身体の中に本来備わったリズム機能です。
不眠症になっている方は、この陰陽のスイッチが故障しているかもしれません。
朝、部屋に光が入り、自然に目が覚めることは、陰から陽にスイッチが切り替わり、排泄、食事、仕事、運動など、陽の活動ができるようになります。
一方、日が暮れ、天地が静寂になった時、私たちの身体も心も静まって、陽から陰にスイッチが切り替われば、自然に寝るという陰の活動ができます。
一日も昼と夜の陰陽のバランスで成り立っているように、私たちの生命も陰陽のバランスで成り立っているのです。
昼間、陽の活動した分、気血水が消耗され、夜の陰の活動によって、またエネルギーが補充、修復され翌日の活力を作るわけです。食事よりも気血を補う効果が高いのは良質の睡眠だと言われているので、生命を維持していく為にもとても大切なのが睡眠なのです。
眠りたいのに、眠れない。これはとても苦痛を伴いますね。
眠れない原因は人によってさまざまですが、共通して「火」と言えるでしょう。
夜になったら、「火」の要素である陽気は、本来は身体の奥にしまうようになり、体温も下がり、精神も陰の静かな状態になるのが、自然なリズムです。何らかの原因で陽(火)がまだ活動しているのが不眠症の正体ではないでしょうか。
よく眠れるのは心身ともに「陰」の状態になるのが条件なわけです。
不眠症には、大まかに分けて、
1,寝付かない。
2、寝入ったとしても夢が多く、眠りが浅い
3、何度も目が覚めるか朝早く目がさめてしまう。
この3タイプありますが、それぞれ「火」の種類は異なります。
1,寝付かない→肝火或いは心火
肝には「魂」、心には「神」が宿っているというのが東洋医学の考えですが、魂と神が
落ち着かない、つまり考える事が多い、ストレス、不安、興奮の状態であれば、頭に「火」が昇り、陰の状態に入りにくいので眠れません。
2,眠りが浅い、夢が多い→胃火
このタイプは食との関係が深いですが、夜遅く食事した場合、胃の中に残留した食べ物がある状態で眠ったとしても、胃の中では「消化」と言う、陽の活動を行っているので
身体全体が陰(休息)の状態に入れず、眠りが浅くなり、胃の活動が脳に伝わり、夢も多くなります。
3,何度も目が覚めるか、朝早く起きる→血虚や腎陰虚による虚火
このタイプの不眠症は、年配の方に多い不眠症で、血液や身体の潤い成分(陰)が不足してくると火を制約することができず、頭に虚熱があがり、深いまとまった睡眠が取れづらい体質的な不眠と言えます。
「夜の生姜はヒ素に勝る」の意味は「夜の生姜は毒薬以上になって生命に危機を与える」決してこの文面通りの大げさなものではありませんが、生姜は発散があるので、身体を温め、気血の流れを活発にします。陰の状態に切り替わる夜に食すると陽気が呼び起され、睡眠の障害になることは間違いありません。
不眠にならない、そして、良質の睡眠のとる為には、身体の陰陽のリズムを知るのはとても大切なことです。
<夜の陰のリズムを邪魔しない心掛け>
家に帰ってきたら、まず気持ちを切り替え、すべての神経を消しましょう
夜の食事はなるべく、消化に負担かけない軽いものを取りましょう
興奮状態を招く香辛料や、油っこいもの、味が濃いものは控えましょう
寝る4時間前には、夕食は済ませておきましょう
入浴や歯磨きは寝る直前ではなく、早めに済ませておきましょう
テレビやパソコン、スマホの光も刺激になりますので、寝る直前は控えましょう。
リラックスして過ごし、寝る前に少し瞑想する時間をもち、頭を空っぽにして
床につきましょう。
朝日を浴びるようにしましょう。朝日を浴びると陰陽のスイッチがより機能しやすくなります。
食事と生活療法
寝付かないタイプ(肝・心火)
平常心を保つようにして、ストレスをこまめに解消しましょう
平肝、安神、養心効果の食材を積極的にとりましょう!
<おすすめ食材>
セロリ、かき、なつめ、レタス、きび、青梗菜
酸棗仁、あわ、蓮の実、百合根
眠りが浅い、夢が多いタイプ→胃火(痰火とも言う)
暴飲暴食を避け、夕食は消化の良いものを腹八分目でとるようにする
<おすすめ食材>
アスパラガス、山芋、蓮根、青梗菜、とうもろこし、豆腐
せり、春菊、大根、人参
何度も目が覚めるか、朝早く起きる→血虚や腎陰虚による虚火
気血水を補う食材を積極的にとり、ゆっくり体質改善を心がける
<おすすめ食材>
米、山芋、じゃがいも、にんじん、ほうれん草、小松菜、キャベツ、ぶどう、鶏肉
牛肉、うなぎ、たこ、イカ、なつめ、竜眼肉
朝の生姜は陽の活動を助け、夜の大根は、消化を助け、余分な熱を下す。
これもすべて陰陽の摂理の応用なのです。
夜はたっぷり寝て、昼は生き生きと活動する。この普通である生活が実はとても幸せなことです。意識的に陰陽のリズムに協力したら、無意識で作動する陰陽のスイッチもピカピカに
元通りになるでしょう!
ぐっすり寝て、爽やかに目覚める毎日でありますように!
作者:尹玉
どうして?と疑問に思っていましたが、陰陽の摂理が理解できるようになったら、自然となぞが解けてきました。
人間が自然体で生きることは「陽が陰に入ると寝て、陽が陰から出ると起きる」ことですが、起きる・寝ることは意識的にやっているようで、実は自動化した無意識の行為だと言えます。
起きる、寝るは陰陽のスイッチが正常に切り換わるかどうかの私たちの身体の中に本来備わったリズム機能です。
不眠症になっている方は、この陰陽のスイッチが故障しているかもしれません。
朝、部屋に光が入り、自然に目が覚めることは、陰から陽にスイッチが切り替わり、排泄、食事、仕事、運動など、陽の活動ができるようになります。
一方、日が暮れ、天地が静寂になった時、私たちの身体も心も静まって、陽から陰にスイッチが切り替われば、自然に寝るという陰の活動ができます。
一日も昼と夜の陰陽のバランスで成り立っているように、私たちの生命も陰陽のバランスで成り立っているのです。
昼間、陽の活動した分、気血水が消耗され、夜の陰の活動によって、またエネルギーが補充、修復され翌日の活力を作るわけです。食事よりも気血を補う効果が高いのは良質の睡眠だと言われているので、生命を維持していく為にもとても大切なのが睡眠なのです。
眠りたいのに、眠れない。これはとても苦痛を伴いますね。
眠れない原因は人によってさまざまですが、共通して「火」と言えるでしょう。
夜になったら、「火」の要素である陽気は、本来は身体の奥にしまうようになり、体温も下がり、精神も陰の静かな状態になるのが、自然なリズムです。何らかの原因で陽(火)がまだ活動しているのが不眠症の正体ではないでしょうか。
よく眠れるのは心身ともに「陰」の状態になるのが条件なわけです。
不眠症には、大まかに分けて、
1,寝付かない。
2、寝入ったとしても夢が多く、眠りが浅い
3、何度も目が覚めるか朝早く目がさめてしまう。
この3タイプありますが、それぞれ「火」の種類は異なります。
1,寝付かない→肝火或いは心火
肝には「魂」、心には「神」が宿っているというのが東洋医学の考えですが、魂と神が
落ち着かない、つまり考える事が多い、ストレス、不安、興奮の状態であれば、頭に「火」が昇り、陰の状態に入りにくいので眠れません。
2,眠りが浅い、夢が多い→胃火
このタイプは食との関係が深いですが、夜遅く食事した場合、胃の中に残留した食べ物がある状態で眠ったとしても、胃の中では「消化」と言う、陽の活動を行っているので
身体全体が陰(休息)の状態に入れず、眠りが浅くなり、胃の活動が脳に伝わり、夢も多くなります。
3,何度も目が覚めるか、朝早く起きる→血虚や腎陰虚による虚火
このタイプの不眠症は、年配の方に多い不眠症で、血液や身体の潤い成分(陰)が不足してくると火を制約することができず、頭に虚熱があがり、深いまとまった睡眠が取れづらい体質的な不眠と言えます。
「夜の生姜はヒ素に勝る」の意味は「夜の生姜は毒薬以上になって生命に危機を与える」決してこの文面通りの大げさなものではありませんが、生姜は発散があるので、身体を温め、気血の流れを活発にします。陰の状態に切り替わる夜に食すると陽気が呼び起され、睡眠の障害になることは間違いありません。
不眠にならない、そして、良質の睡眠のとる為には、身体の陰陽のリズムを知るのはとても大切なことです。
<夜の陰のリズムを邪魔しない心掛け>
家に帰ってきたら、まず気持ちを切り替え、すべての神経を消しましょう
夜の食事はなるべく、消化に負担かけない軽いものを取りましょう
興奮状態を招く香辛料や、油っこいもの、味が濃いものは控えましょう
寝る4時間前には、夕食は済ませておきましょう
入浴や歯磨きは寝る直前ではなく、早めに済ませておきましょう
テレビやパソコン、スマホの光も刺激になりますので、寝る直前は控えましょう。
リラックスして過ごし、寝る前に少し瞑想する時間をもち、頭を空っぽにして
床につきましょう。
朝日を浴びるようにしましょう。朝日を浴びると陰陽のスイッチがより機能しやすくなります。
食事と生活療法
寝付かないタイプ(肝・心火)
平常心を保つようにして、ストレスをこまめに解消しましょう
平肝、安神、養心効果の食材を積極的にとりましょう!
<おすすめ食材>
セロリ、かき、なつめ、レタス、きび、青梗菜
酸棗仁、あわ、蓮の実、百合根
眠りが浅い、夢が多いタイプ→胃火(痰火とも言う)
暴飲暴食を避け、夕食は消化の良いものを腹八分目でとるようにする
<おすすめ食材>
アスパラガス、山芋、蓮根、青梗菜、とうもろこし、豆腐
せり、春菊、大根、人参
何度も目が覚めるか、朝早く起きる→血虚や腎陰虚による虚火
気血水を補う食材を積極的にとり、ゆっくり体質改善を心がける
<おすすめ食材>
米、山芋、じゃがいも、にんじん、ほうれん草、小松菜、キャベツ、ぶどう、鶏肉
牛肉、うなぎ、たこ、イカ、なつめ、竜眼肉
朝の生姜は陽の活動を助け、夜の大根は、消化を助け、余分な熱を下す。
これもすべて陰陽の摂理の応用なのです。
夜はたっぷり寝て、昼は生き生きと活動する。この普通である生活が実はとても幸せなことです。意識的に陰陽のリズムに協力したら、無意識で作動する陰陽のスイッチもピカピカに
元通りになるでしょう!
ぐっすり寝て、爽やかに目覚める毎日でありますように!
作者:尹玉